ご訪問ありがとうございます。管理人のたけともです。
この記事では、社会人未経験、第2新卒から「地域おこし協力隊」になることはかなりリスキーです!ということをお伝えしたいと思います。
・現在学生さんで、地域おこし協力隊に興味がある。
・大学卒業後は地域おこし協力隊になりたい。
・地方移住し、好きなことにチャレンジしたい。
・新卒の会社をすぐ辞めて、地方移住を考えている。
こんなことを考えている方に読んでもらえばと思います。
僕自身は新潟の離島で2年間地域おこし協力隊として従事した経験があります。同じ新潟県内の隊員や、研修で知り合った他県の隊員との交流もあります。
そんな経験を踏まえ、社会人未経験もしくは経験が浅い状態で地域おこし協力隊になることはリスキーだし、おすすめできないということをお伝えしていきますね。
ワクワクするようなことと、大変な現実の両方を知ったうえでベストな判断をしてもらえればと願っています。
また、社会人未経験の学生さんだけではなく、地域おこし協力隊になることを真剣に検討している方にも参考になると思いますのでどうぞ!
クリックできる目次
社会人未経験で地域おこし協力隊になるのがリスキーな5つの理由
・地域おこし協力隊員の社会的立場は「非正規」扱い
・任期が最大で3年間という期限付き
・見知らぬ土地で、行政職員、地域住人などとコミュニケーションをとる
・従事する業務によっては専門性(スキル、ノウハウ等)が身につかない
・受け入れ地域の見極めができない(難しい)
ざっと考えただけでもこれだけの理由が挙げられます。

これGoogleのサジェストワードですけど、「闇」「ひどい」「問題」とかありますよね。主観的な意見や、感情的な意見などもありますが、地域おこし協力隊になる前に把握だけでもしておく必要があります。
僕が実際に感じたリスクをひとつずつお伝えしていきます。
地域おこし協力隊員の社会的立場は「非正規」扱い
受け入れ自治体により「雇用形態」は異なりますが、総じて非正規職員という身分になります。
1.一般職非常勤職員(地方公務員法第17条)
2.特別職非常勤職員(地公法第3条第3項第3号)
3.地方自治体との雇用関係なし(委託契約など)
おそらくこのどれかで地方自治体と契約することになります。
新卒という最強のカードを持っている状態で、社会人のスタートを「非正規」という身分から始めるのはあまりにもリスキーです。
新卒であれば、会社を選びすぎなければ「正社員」の内定を取ることもそこまで難しくはないです。特に人手不足の世の中では。
正社員とそれ以外の身分は両方を経験しないとわからないことですが、本当に格差が大きいです。
正社員を選べる可能性があるのに、自分から進んで非正規を選ぶのは、その後の人生がハードモードになること確実です。
新卒で地方、田舎に移住して、地域おこし活動をしたいのであれば、その地域の役場職員になるのが一番です。観光協会、道の駅、農産物直売所とかでもいいかもしれません。
今話題の地域商社、DMOなどがあるようなところを目指すのでもいいかもしれません。
地域おこし協力隊の社会的身分はかなり低いということを十分に把握してください。
※余談ですが、「副業可能」な受入条件の自治体をお勧めします。そのためには「特別職」か「雇用関係なし」の条件が必須となります。雇用関係なしだと保険や年金で厳しいので「特別職」で探すのがいいですね。
3年後を見据えた場合、地域おこし協力隊の3年間で収入基盤を作るためにも副業に取り組むことが重要になります。
任期が最大で3年間という期限付き
地域おこし協力隊は、基本的には1年契約で、最長3年まで契約が更新されるというものです。
3年間は受け入れ自治体からお給料がもらえますが、4年目からは全くの0です。無収入確定です!
つまり、3年目が終了する前に、
・自分で事業を起こす(個人事業主になる)
・地域の会社に就職する
・農業、漁業、林業などに携わる
・地域から出ていく決断をする
このような選択をとる必要があります。
3年目が終わってから準備するのでは遅すぎます。無収入期間が発生してしまいとんでもないことになります。
いくら田舎暮らしで生活費がかからないといっても、保険料、年金なんかを払うのはかなりきついですよ!(←実体験)
赴任先の自治体で従事する業務内容にも大きく依存しますが、それこそ地域奉仕活動みたいなものに従事していたら、
朝から晩まであっという間で、業務以外に地域行事とかに参加していれば3年間なんて本当にあっという間です。
・3年間でどのような活動を行うのか?
・協力隊任期終了後にどのようなことをしたいか?
・それができそうな自治体はどこか?
このような判断軸で受け入れ自治体を探すことが大切です。
とりあえず地域おこし協力隊になって、地域の人に可愛がってもらって3年間を過ごすと、その3年間は楽しいですが、その後の人生厳しいです。
「自給自足な生活をやっていくぜー!」みたいな考えならOKですが、そうではない人は3年間の過ごし方と、4年目を考えて行動するのが良いかと思います。
見知らぬ土地で、行政職員、地域住人などとコミュニケーションをとる
生まれ故郷でもない、全く知らない土地で一人で暮らすことになります。
それまでの学校の中での年の近い人、仲の良い人とだけの関わり合いではなく、本当に多種多様な人とコミュニケーションをとる必要が生じます。
それこそ自分の両親や、おじいちゃん、おばあちゃんのような年齢の方と接することも多くなります。
社会人を経験していれば、ある程度もまれていますが、学卒でこのような環境に飛び込む場合、もともと耐性がないと精神をやられてしまう可能性もあります。
「田舎でのんびり自由なことをやりたい!」こんな風に思っていたら、それは残念ながら難しいです。田舎にのんびりはありません。とにかく忙しいです。
人が少ない、特に若い人がいないので、いろいろなことを助け合っています。外から来たよそ者が知らん顔していると当然いい顔されません。
率先していろいろなところに顔を出し、お手伝いすることが求められます。
そういうことが好きな人じゃないと正直きついです。
僕の赴任した地域でも、のんびり離島生活を夢見てきた人が、あまりの忙しさに半年で逃げ出したという事件(?)がありましたよ。
狭い世界なので、他人の噂話とかもよく話題になります。そういうことも受け入れていく必要はありますね。
従事する業務によっては専門性(スキル、ノウハウ等)が身につかない
これは長い人生を生きていくうえでかなり重要な部分になります。学校を卒業して初めて働く環境はとても大切です。
その後の働き方、考え方に大きな影響を及ぼすことになると思います。特に一緒に働く人、仕事を教えてもらう人が重要になります。
地域おこし協力隊では残念ながらこの部分が望めません。かなり運任せになります。
受け入れ自治体の担当職員さんのやる気にもよりますが、必要最低限の身の回りサポート、事務的サポートだけにとどまる場合は何も学べませんね。
観光協会、NPO、協議会などに派遣されてそこで業務を行う可能性もあるでしょう。こういったところで素晴らしい方に巡り合い働き方のイロハを教えてもらえればいいのですが、それも望み薄です。
地域おこし協力隊は3年の任期で、終われば地域を出て行ってしまうものと考えている人も多いので、しっかり教育しようという気にならないんですよね。
ひどい言い方をすれば「雑用係」「何でも屋」みたいに見られます。
地域おこし協力隊制度が始まって10年以上たっているので、受け入れ地域の方も地域おこし協力隊に対して思うところがあるのは事実です。
一生懸命教えて、一緒に地域を盛り上げていこうと酒を飲み交わした人が、ある日突然出て行ってしまう。
こんなことを経験すれば、悲しいですし、寂しいですし、残念です。だから新しい地域おこし協力隊員には必要以上に接しようとしなくなるということが起きてしまいます。
もちろん、地域によって、人によって違うので、そういう可能性もあるというお話です。
会社でも、どこでもそうですが、自分から懐に飛び込んで、教えてもらう、見て覚える、そういったがつがつしたところがないと成長していくことが厳しいです。
会社なら手取り足取り教えてくれますが、地域おこし協力隊はそうではないと覚えておいてください。学びに行くのではなく、地域に与えに行くのですから。
受け入れ地域の見極めができない(難しい)
地域おこし協力隊になるということは、移住を希望する地域を選ぶということです。その地域の自治体と採用面接をして内定をもらうことで隊員になることができます。
これは自治体から一方的に面接をされるというものではありません。こちら側にも自治体を選ぶ権利があります。
自治体、また担当職員の対応等を見極めて、本当に活躍できる地域かどうかを見極める必要があります。
ただ、学卒の場合はそのような見極めが非常に難しいです。やはり社会経験がないので良い悪いの判断がつかないのです。当たり前のことですが。
この点でも学卒で地域おこし協力隊になることをおススメできないといえます。
それでも社会人未経験から地域おこし協力隊になりたい方へ
これだけのリスクを見ても、地域おこし協力隊へ挑戦したい方は、もう止めません。存分にチャレンジしていただければと思います。
ただ、少しでも受け入れ自治体とのミスマッチを防ぐための情報収集は行ってください。
2019年時点で全国に5000人以上の地域おこし協力隊員がいます。本当に多くの地域で受け入れられるようになりました。
地方移住の入り口として地域おこし協力隊は非常に良い制度ではあると思います。実際地域おこし協力隊を目指す人も年々増えてきているのが実情です。
そのため各自治体間で地域おこし協力隊員の取り合いが起きています。どの自治体も、自分の地域の良いところ、魅力をPRして呼び込んでいます。
例えば、下記のようなサイトで情報を入手することができますので是非参照してみてください。
一般社団法人移住・交流推進機構
地域おこし協力隊に関する総合的な情報を取り扱っているので、地域おこし協力隊に応募したいと思うすべての方は見てください。
現役の隊員や受け入れ自治体職員と交流することができるイベントの告知なども行われています。
興味のある地域を見つけ、話を聞きに行くということから始めるのが良いですね。


地域おこし協力隊全国サミット
総務省が開催しているイベントです。全国の地域おこし協力隊が一堂に会する大規模イベントです。
様々な地域の協力隊員が参加して現場の声が聴ける貴重なイベントなので、こちらも参加することをおススメします。

認定NPO法人ふるさと回帰支援センター
こちらは地方移住を全般に支援している機関です。各自治体が地方移住に関する説明会、セミナーを随時開催しています。
東京在住の方は仕事帰りにふらっと寄ってみることも可能ですので、生の情報収集に活用してください。


イベント、説明会、セミナー等に参加して、現役・OBの地域おこし協力隊員の声を聞く、自治体職員の担当者と話をする、ということを必ず行ってください。
自治体職員と話をするときは、隊員の活動内容やプライベートの過ごし方、卒業後の進路など可能な限り根掘り葉掘り聞いてみましょう。
こちらの質問に真摯に丁寧に受け答えしてくれるような自治体を見つけてくださいね。
いきなり地域に飛び込むという行動力と勇気も大切ですが、ミスマッチをなくし双方にとって有意義な活動とするためにも事前の情報収集は必須です。
人と会って話をすることで、自分自身の考えも整理されていき、本当にやってみたいことが明確になっていきます。
この「自分がやりたいこと」を明確にしておくだけでも後悔の無い活動を行うことができます。
キャリアの分かれ道で読んでおくべきお勧めの本
私がこれからのキャリアを本格的に検討し始めたときに、『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』という本を読みました。


この本を読んでいただければ、「現職での働き方」「これからのキャリアの考え方」「転職活動の準備」について考えることが出来ます。
物語形式で書かれているため、読書をする習慣がない方でもすらすらと読める本ですね。ぜひ今後の働き方で悩まれたり、転職活動に興味を持った方には読んでほしい本です!
まとめ:リスク、問題点を把握したうえで行動できる人は大丈夫!
最後に繰り返しますが、学校を卒業して社会人経験がない状態で地域おこし協力隊になることはかなりリスクが高いのでお勧めしていません。
でも、しっかりと情報収集し、やりたいこと・目指す姿を明確にしたうえでチャレンジをするなら止めません。
そもそも「地域おこし協力隊」として活躍するためにはこうした姿勢が大前提です。明確な指示もされず自由に活動していいよという地域ならなおさらです。
しっかりと考え、多勢と違う行動ができる人は、どこに行っても成長することができます。活躍することが出来るはずです。
「行動できる」、これがものすごく大事な能力です。多くの人は行動に移せないで終わりますので、行動しただけでも価値があります。
すでに社会人の方で地域おこし協力隊に興味のある方はこちらの記事もどうぞ。


これから地域おこし協力隊になる方が少しでも有意義に活動できることを願っています。

こちらの記事では、具体的な転職活動に取り組む前にするべきことから、転職できる状態になっておく必要性、具体的な活動の進め方などをまとめたものです。
転職、地方移住の選択肢として「地域おこし協力隊」を検討しているかと思いますが、そもそもの転職活動自体についてもヒントを見つけて頂ければ幸いです。