ご訪問ありがとうございます。管理人のたけともです。
今回の記事では、「異業種×異職種」の越境転職の実態について調査データと実際の面談内容を基にお伝えしたいと思います。
これまで経験した業界や職種を離れまったく違った場所、内容でチャレンジしたいと思っている方に向けて書きました。
越境転職する上での「職種」「年齢」「注意点」についてお伝えしていきます。これから新たな領域へ踏み出そうとするあなたの参考にして下さい!
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「業界」「職種」のどちらで越境するか?ミドルの職種替えは大変!
株式会社リクルートキャリアが、転職エージェントサービス『リクルートエージェント』の転職決定者分析(2009~2018年度)を行い、転職市場の動向データを発表しました。
参照:株式会社リクルートキャリア プレスリリース発表より(2020年1月23日)
発表されたデータをかいつまんでご紹介していきます。リクルートエージェントを利用した転職に限定したデータである点ご留意ください。
1.業界の壁を超えた転職が約7割

異業種へ転職した人が67.4%を占めています。転職した多くの人が異業種へ挑戦したことが読み取れます。
同じ業界内を渡り歩くというより、全く別業界へ飛び込むために転職をしているということですね。
「メーカー」「商社」「金融」「サービス」など、今とは全く異なる環境でチャレンジしたいと思っている方には良い転職環境だと言えますね。
2.増え続ける業界の壁を超えた転職

2009年~2013年の5年間平均を1とした場合の異業種への転職数の推移です。明らかに右肩上がりなことが読み取れます。
どんどん異業種への転職がやり易い環境が整ってきています。
また異業種に限らず、転職そのものが一般化してきていることも読み取れますね。
一昔前までは同じ会社で定年まで勤めあげるのが普通で、転職するのはごく限られた人だけでしたが、現在はそんなことは全くないようですね。
転職はもはや普通の行為になってきています。
3.若手と年配層は越境する一方、ミドルは同業種内で専門性を磨く

「異業種」×「異職種」の完全越境転職に関しては、「20~24歳」「60~64歳」が多くを占めていることが読み取れます。
社会人経験の少ない若手(第2新卒)に関しては、新卒入社の会社をすぐに辞めて転職しているため、それまでの環境とは全く違ったところに再チャレンジしたため高い割合となっていると思われます。
受け入れ側としても経験者採用というよりポテンシャル採用なので、前職の業界、職種に関しては不問のことが多いですね。
シニア世代に関しては、本人の希望でこれまで経験してきたところとは全く違うところで活躍してみたいという思いと、やむなく未経験の場で働くことを選択していると思われます。
「35~44歳」のミドル層は「異業種」×「同職種」の業界越境転職の割合が高いことが読み取れます。
「営業」「エンジニア」「経理」などの自身の専門領域を深めるために業界を超えて転職していると思われます。
ミドル層では「何ができるか」「どんな実績があるか」という点が転職時には特に重視されるため「異職種」へのチャレンジはしづらいですね。
「異職種」へ挑戦するということはそれまでの専門性を捨て、全く0から再スタートすることになりますからね。
逆に考えれば、しっかりとした専門性を持っていれば、業界を超えた転職も可能ということですね。
4.職種によって異なる越境度と内容

職種ごとに越境転職の状況をまとめたデータです。
「接客・販売・店長・コールセンター」といったサービス業や、「マーケティング」といった専門職の完全越境転職が特に高い割合を占めていることが読み取れます。
サービス業に関しては専門性の蓄積が他職種に比べて重要ではないため入れ替わりが激しいと思われます。いろいろな前職の方がいる職場が想像できますね。
「オフィスワーク事務」「営業」「経理・財務」に関しては「同職種」での転職が際立って高い傾向にあります。
専門性が武器になる職種のため、同じ仕事を異なる環境で磨いて、レベルアップを目指していることが分かりますね。
営業は「有形商材」「無形商材」「新規営業」「ルート営業」などで仕事の進め方は異なりますが、根っこでは「お客様の課題を丁寧にヒアリングして、解決する手助けをする」という観点では同じです。
業界を変えても通用するスキルを身につけることは本当に大切な仕事力ですね。
「エンジニア」「SE」といった専門技術職に関しては「同業界」×「同職種」の業界内転職の割合が高い傾向にあります。
専門性が極めて高いため、同じ業界内でスキルアップや待遇向上を目指して転職を行っていることがうかがえますね。
せっかく高い技術レベルを持っているのに、営業を0から始めるのはよほどのことがない限り現実的ではないと思います。
また同じ業界内だからこそ評価されるということもありますね。
調査データから考える越境転職の傾向
・全体的に業界や職種の壁を超えた越境転職が増えている。
・現在の「年齢」により越境のし易さが異なる。
→若いうちほど業界も業種も変えることのハードルが低い!
→ミドルに差し掛かったら職種をむやみに変えるのはハイリスク!
・現在の「職種」により越境し易さが異なる。
→未経験でもチャレンジしやすい職種と、専門性がものをいう職種がある!
→未経験可という求人は、「誰でもできる=専門性いらない=待遇低い」可能性あり!
→ミドルを超えたら、職種の専門性を磨いて武器を作ることが大切!
業界の壁は低くなる一方、専門性の向上が越境転職のカギになる!
転職エージェントとの面談で伝えられた「転職と年齢」について
ここからは僕が実際に転職エージェントさんとの面談で言われたことをお伝えしますね。
ちなみに僕は30代の会社員ですので、あくまでもその目線からのお話になります。
1.20代はポテンシャル重視の傾向が強い
2.30代前半まではポテンシャルと実績が半々くらいの評価
3.30代後半以降は実績評価
4.40代以降は管理職ポジションの募集が多く、その経験がものをいう
このような感じでした。ちなみに電話面談を含めると4社と面談経験がありますが、おおむね同じようなことを言われましたので実態に近いかなと思います。
1.20代はポテンシャル重視の傾向が強い
社会人経験の浅い20代の転職希望者は、それまでの実績・キャリアという観点ではなく、これからどんな貢献ができそうかという「ポテンシャル面」を重視して採用されます。
求人企業も20代で経験が浅いうちは大きな実績を持っていないのは当たり前だとわかっているので、これからの伸びしろを評価しようとします。
そのため、変に実績を誇張して伝える必要はないし、そんなことはすぐ見抜かれてマイナス評価につながります。
新卒時に現在の会社を選んだ判断基準、実際に働いてみて感じたこと、そして転職に至った思いを論理的に丁寧に説明することがとにかく大事です。
少子化が進み若手人材をどこの会社も必要としているので、20代にとっては転職がし易い環境が整っていると言えます。
2.30代前半まではポテンシャルと実績が半々くらいの評価
30歳を超えてくると「即戦力採用」という側面が強くなってきますが、ポテンシャル面を見てくれる求人もかなりあります。
22歳から65歳までを現役世代ととらえた場合、30歳前半はまだまだ若手です。そのため大きな実績や秀でた専門性がなくてもこれからの「ポテンシャル」で評価をしてくれるところも多いです。
むしろ社会人を10年程度経験し、社会人基礎力がちゃんとある状態の人材は必要とされています。
商材知識や業務知識は覚えればいいだけですが、社会人基礎力に関しては教えてすぐできるものではなく時間がかかるものです。
そもそも生まれ持っての価値観や素養もあるので教えてもどうにもならないものもありますしね。
この教育部分をショートカット出来るので30歳前半は十分ポテンシャル面を評価してくれます。
3.30代後半以降は実績評価
30代後半になるとこれまで積み上げてきた「実績」「キャリア」が重要になります。これは当たり前の話ですね。
社会人を15年以上経験してきて、それなりの成果を残せていない場合は受け入れ企業の評価も上がりません。
口でどんなにいいことを言っても、実績が伴っていなければ「口だけ」という評価が下されてしまいます。
また30代後半以降は管理職ポジションでの求人募集が多くなる傾向にあります。そのためその経験があるかどうかも重要です。
40歳になっても部下を管理した経験がない場合、転職市場に参加することが出来なくなる恐れもあります。
4.異職種への越境転職の注意点
異業界へのチャレンジは普通に行われがちですが、異職種へのチャレンジはかなりハードルが高いです。
それこそ20代の内はハードルが低いですが、30代以降ではハードルが上がってきます。
「営業」から「経理」
「営業」から「データサイエンティスト」
「バックオフィス」から「エンジニア」
今まで経験してきた職種と全く違うものへのチャレンジです。覚えることも慣れることもたくさんあります。資格が必要な場合もあります。
そもそも適性があるかどうかもやってみないことには分かりません。
20代の若いうちなら、そもそもの社会人経験が浅いので0から新らしいことを覚えるのも難しくはありません。給料も少ないので会社の負担も少なくてすみます。
でも、30代以降では話が全然違います。実績のある即戦力人材か、これまでの経験からポテンシャルがあると判断された人のみが採用されます。
そのような中、実績もない、ポテンシャルも図れない異職種へチャレンジする人材を受け入れる企業は少ないです。
だってちゃんと活躍してくれるかどうかわかりませんから。大企業出身だから仕事ができるとは限りませんし、営業で優秀な成績を残していてもエンジニアとして優秀になれるかはわかりません。
30代で異職種へジョブチェンジしたい場合には、今の年収より下がることを覚悟して飛び込んでください。
異職種転職で年収が上がることはほぼあり得ません。なので目先の年収が下がることを覚悟して飛び込んでください。
年収アップを目指すのであれば、同職種での専門性を深めるキャリアアップだけを目指してください。
転職市場での自分の可能性を確かめてみる
調査データや、僕自身が転職エージェントから言われたことをご紹介してきました。
あなた自身が「異業界」「異職種」への越境転職ができる可能性を、自分の人材価値を確かめてみませんか?
試すといってもそんなに難しいことは必要なく、転職サイトに登録して募集されている求人情報を眺める、僕みたく転職エージェント無料面談を行うだけです。
これをやるだけでだいぶ転職に関する考え方が広がりますので、この記事を読んでいる方はぜひ確かめてみてくださいね。
転職サイトに登録して求人情報を検索する
首都圏に住んでいるなら、大手転職サイト2~3つほど登録して、希望する求人条件でどのような案件が掲載されているか確認しましょう。
まずは求められている仕事、ポジション、条件を知るということから始めましょう。

この記事で転職サイトの特徴を分かりやすく比較しています。転職サイト選びの参考にしてみてください。
転職エージェントに登録して、面談を受ける
一人で転職活動を進めるのが不安な方や、時間的に余裕がない人は転職エージェントに登録して助けてもらいましょう。
転職サイトでは知りえない求人情報や、あなた自身に関する助言ももらえますよ。

こちらの記事では、転職エージェント4社の特徴を比較して分かりやすくまとめています。転職エージェント登録の参考にしてみてください。
まとめ:30代以降は職種の専門性を深める越境転職が大切!
越境転職をする上では、向いている「職種」、可能「年齢」、覚悟するべき「注意点」があります。
今現在の自分自身の状況を良く振り返ってみてください。
僕個人としては、「スキルアップ」「キャリアアップ」「給与アップ」のために積極的に越境転職をすべきだと考えます。
安易に未経験可というような求人案件には飛びつかないほうがいいです。前職の業界、業種を問わないような企業はロクなところがありません。
誰でもいいから未経験可なわけですし、人が集まらないから未経験可と打ち出していることが多いです。
「どこでも通用する武器を作る」ということを意識し、職種の専門性を深めることがとにかく大切です。
もちろん40代から「AIエンジニア」になりたいと考え、給与も待遇も大幅にダウンすることを覚悟して飛び込むことも一つです。
目先の給与が大切か、長期的な専門性を培うことを優先するか、これは一人ひとりの考えで唯一正しいものはありません。
それでも、長期的なキャリアを意識して越境転職にチャレンジするのがいいと思いますし、僕自身もそうしていきたいと思います。ぜひ一緒にどこでも働ける状態を目指しましょう!

こちらの記事では、具体的な転職活動に取り組む前にするべきことから、転職できる状態になっておく必要性、具体的な活動の進め方などをまとめたものです。
少しでも転職に興味がある方は是非お読みください。